チョコラテとショコラは同じ?チョコレートの各国の呼び方とその語源

カカオ豆・チョコレートについて

チョコレートの原料であるカカオ豆からできた飲み物を飲まれるようになって、約4000年。
チョコレートの語源は、カカオ豆の発祥地メソアメリカで呼ばれていたショコラトルだといわれていますが、ショコラトルもまた、カカワトルから変化したものです。
ショコラトルからチョコラテ、チョコラテからショコラと、次々と変化していきます。
各国が各国のチョコレートの呼び方に変化したことに対するさまざまな見解を、まとめてみました。


<目次>
・ショコラトルと呼ばれるようになったカカワトル
・チョコラテと呼ばれるようになったショコラトル
・ショコラと呼ばれるようになったチョコラテ
・チョコレット・チョッコレイトと呼ばれるようになったチョコラテ
・国々によって呼ばれ方が違うチョコレート


・ショコラトルと呼ばれるようになったカカワトル

チョコレートドリンク(ココア)の原型ともいわれるカカオ豆から作られた飲み物カカワトル(cacahuatl)は、いつの頃からか「ショコラトル(xhocolatl)」と呼ばれるようになります。

どうしてショコラトルと呼ばれるようになったのか・・・

さまざまな見解があり、意見が割れているようですが、いくつかの見解を挙げてみたいと思います。

・実は、ナワトル語でカカワトルというのは、あくまでもカカオの木や豆のことをいい、現在もナワトル語を母国語とする人たちの中で使われていて、チョコレートのことをナワトル語で「苦い(xocolli)+水(atl)」から「ショコラトル(xocoatl)」と呼んでいます。

要するに、もともと、メソアメリカでカカオ豆から作られた飲み物を飲むようになった時には、すでに、ショコラトルと呼ばれていた可能性もあるということになりますよね。

ショコラトルこそが、現在飲まれているココアの原型であり、「チョコレート(chocolate)と後に呼ばれるようになった由来ともいわれているのは、コルテスをはじめとするスペイン人が「ショ」という発音ができずに「チョ」と発音し、「チョコラトル」と呼んでいたからだといわれています。

・また、コルテス率いるスペイン人がアステカに入り込むまでは、マヤ族は「カカウ(kakaw)」、アステカ族は「カカワトル(cacahuatl)」と呼んでいたという説もあります。

この説では、ナワトル語やアステカ文明に関する古い資料の中に、「チョコラトル(ショコラトル)」という言葉が出てこないため、スペイン人がマヤ語の「ショコル(xocolli)」にナワトル語の「アトル(atl)」をつけ、“ショ”ではなく“チョ”に変え、「チョコラトル(chocolatl)」という新語を作ったことから「チョコラトル」と呼ばれるようになったことが始まりとされています。

・さらに一説によると、マヤ語の辞書に「チャカウ・ハー」という言葉があります。
チャカウ=熱い、ハー=水という意味があり、マヤ語では熱い水という意味があり、「チョコレートと呼ばれる熱い飲み物」という位置づけで辞書には載っています。

ユカテク語では「チョコル=熱い」なので、「チョコル・ハー」と呼ばれるようになって、そこから「チョコラトル」という呼び名がついたという説です。
この説でいくと、「ショコラトル」という言葉は、後付けということになるのでしょうか・・・

ここでの説はほんの一例にすぎず、他にもさまざまな見解があります。
大昔のことなので、どれが本当なのかを解明するのは、なかなか難しいことですよね。

 


・チョコラテと呼ばれるようになったショコラトル

スペイン人がショコラトルの呼び名を、いつの頃からか「チョコラテ(chocolate)」と呼ぶようになります。

どうしてチョコラテと呼ばれるようになったのか・・・

その答えは、残念ながら、未だ解明されていない謎というのが現状で、1528年、コルテスがカルロス1世に戦利品としてカカオ豆を送った頃には、すでにチョコラテと呼ばれていたとする説と、1570年代頃に呼ばれるようになったという説があります。
あくまでも、想像の世界の話では・・・

ナワトル語では、語尾に「トル」という発音が定番ですが、スペイン人がこのスペルを発音すると、「テ」あるいは「テイ」と発音します。

スペイン人が「トル」という発音が苦手で言いづらかったことから、言いやすいように「チョコラテ」と呼ぶようになったという説があります。
スペイン人にとって、アステカ・マヤの人が話す細かいイントネーションにこだわる必要性がなく、聞こえるがままに、自分たちの呼びやすいように呼んでいたと予想されています。

また、チョコラテルと呼ばれている香辛料やトウモロコシを入れて飲むカカオ豆を原料とした飲み物が、スペインに輸入されてから砂糖を入れた甘い飲み物へと変化しました。
そのため、メソアメリカで作られていたチョコワトルと、砂糖を入れて作られたカカオ豆の甘い飲み物の呼び名を、スペイン人が違う呼び名で呼ぶ必要があったと予想している学者もいます。

ここからは、あくまでも私の予想ですが、コルテスは、それまで栽培されていたクリオロ種から、現在のチョコレートの中で80%以上という生産率を誇っているフォラステロ種にカカオ豆の種類を変え、大量生産できるような栽培に力を入れました。

チョコラテと呼ばれるようになったのが、おおよそ1570年代頃ということであれば、コルテスがフォラステロ種の栽培に力を入れ、大衆にも飲まれるようになり、スペインにすでにカカオ豆が輸入されてからのことです。

スペイン人がアステカを支配することで、スペイン語が多く飛び交うようになり、スペイン人同士が話す場合には、スペイン人が話しやすい言葉に変わっていくのは、当然といえば当然のことのように思います。
そのため、当時のメソアメリカでは、きっとナワトル語の「ショコラトル」と、スペイン語の「チョコラテ」が、どちらも飛び交っていたのが、容易に想像できますよね。

とはいっても、スペインに持ち帰るのはスペイン人であり、アステカの人々がスペインに運ぶことは、まずありえません。
そうなれば、自然とスペインでは、チョコラテという形でチョコレートドリンクが広まっても不自然なことではないように、私は思います。

 


・ショコラと呼ばれるようになったチョコラテ

フランスに伝わったチョコラテは、いつの頃からか「ショコラ(chocolat)」と呼ばれるようになります。

どうしてショコラと呼ぶようになったのか・・・

その答えを、ネットでいろいろ探してみたのですが、私の実力不足で、みつけることができませんでした。
ただ、チョコラテとショコラのスペルを見比べてみると、

・チョコラテ・・・chocolate
・ショコラ・・・・chocolat

というスペルになります。

ひとつめは“cho”という文字の呼び方の違いです。
スペイン人によって「チョコラテ(chocolate)」と呼ばれるようになりましたが、チョコラテの“チョ(cho)”は、フランス語では“ショ(cho)”と発音します。

ふたつめは、綴りの最後の“e”がフランス語のスペルにはなくなっていますよね。

どうして“e”がなくなってしまったのかはわかりませんが、フランス語では、スペルの最後の子音は発音しないのが基本ということもあり、“t”を発音せずに「ショコラ」と呼ばれるようになったと予想されます。

私の予想は2つあります。

・スペイン人がフランス人に教える時に、スペルで説明した時、“e”を書き忘れた、あるいは、書いたけど見づらくて“e”がないと思ったため、フランス語読みで「ショコラ」と呼ぶようになった

・最初は言葉のみで「チョコラテ」と伝えられたため、スペイン人の発音が、フランス人には「ショコラ」と聞こえた

といったところではないでしょうか。
あくまでも予想の範囲なので、間違っていたら教えてくださいね。

 


・チョコレット・チョッコレイトと呼ばれるようになったチョコラテ

イギリスに伝わったチョコラテは、今度は、「チョコレット(chocolate)」「チョッコレイト(chocolate)」と呼ばれるようになります。

どうして「チョコレット」「チョッコレイト」と呼ばれるようになったのか・・・

これも、チョコラテやショコラ同様、残念ながら、未だ解明されていない謎なんです。

ただ、チョコラテ同様に、スペルが「chocolate」なんですよね。
そう考えると、あくまでも私の予想ですが、イギリスに渡った最初は、手紙などの文章、あるいは、何か書き留めたメモなどだったのではないかと思います。

それを見たイギリスの人が、イギリス人の発音の仕方でチョコレートと読み、英語の読み方で読むと、「チョコレット」「チョッコレイト」と呼んでいるうちに、そのまま定着したと予想できます。

あくまでも、一般庶民の私が考えついたことなので、もっと深い想いが込められた言葉なのかもしれませんし、単純なことなのかもしれません。
昔に戻ることは誰もできないので、永遠の謎ともいえるかもしれませんね。

 


・国々によって呼ばれ方が違うチョコレート

さまざまな国にさまざまな形でチョコレートは伝わり、現在でも、世界中の人々に愛され続けています。
チョコラテやショコラ、チョコレット(チョッコレイト)のように、呼び方がその国々によって変化していったのと同じように、それぞれの国で、それぞれの呼び方が存在しています。

私達が当たり前に使っている「チョコレート」もその中のひとつです。
チョコレートは、最初に伝わったといわれている時に書かれていた文字は「しょくらあと」ですが、いつの頃からか、チョコレートと変化しています。

スペイン周辺のチョコレートの呼び方を表にまとめてみました。

国名呼び方スペル
ポルトガルジョコラテchocolate
オランダショーコーラーテゥ

ショコラ―

CHOCOLADE

chocolate

ドイツショコラーデschokolade
デンマークショコレィルchokolade
スイスチョコラーテchocolate
イタリアチョッコラートcioccolato
ポーランドチョコラダczekolada
チェコチョコラーダčokoláda

ちなみに、日本に最初にチョコレートが伝わった時、チョコレートを

「猪口齢糖」
「猪口令糖」
「貯古齢糖」
「知古辣」
「千代古令糖」

などのような漢字で書かれていました。
ひらがなやカタカナがある時代に生まれて、つくづくよかったと実感してしまいました。

話がずれてしまいましたが、このように、最初にチョコレートドリンクをヨーロッパに伝えたスペインと隣接している国、あるいは、近隣の国々でさえ、多少の違いが生じています。
そう考えると、各国が各国で呼びやすいように変化したとしても、まったく不思議なことではないように、私は思います。

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